【失敗しない】骨董品家具の本物と偽物を見分けるための5つのチェックポイント
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骨董品家具は、ただの家具ではなく、時代を超えて受け継がれてきた歴史と物語を秘めています。しかし、その魅力ゆえに、偽物も多く出回っているのが現状です。
でもご安心ください。ここでは、専門家でなくても、誰でも簡単にできる骨董品家具の「本物」と「偽物」を見分けるための5つのチェックポイントを、初心者向けに分かりやすく解説します。
1. 木材の種類と経年変化をチェックする
家具の素材である木材は、真贋を見分ける上で最も重要な手がかりの一つです。
木材の種類:
時代の様式には、それぞれよく使われる木材があります。例えば、18世紀のイギリス家具ならマホガニー、19世紀のアメリカ家具ならクルミ材やオーク材などです。
その時代の様式にそぐわない木材が使われていないか、また、希少な木材が使われているのに不自然に安価ではないかをチェックしてみましょう。
経年変化:
本物の古い家具には、長年使われてきた証拠である「味」があります。たとえば、木材の色あせ、手垢による自然なツヤ、角の丸み、微細なキズなどです。
偽物は、わざとキズをつけたり、薬品で古びたように加工したりすることがありますが、不自然なツヤや、全体的なバランスの悪さが見て取れることが多いです。
2. 接合部と構造の作り方を調べる
家具の強度を保つ「接合部」には、その時代の職人の技術が凝縮されています。
接合部の種類:
本物の骨董品家具は、手作業で作られた「ホゾ組み」や「蟻組(ありぐみ)」といった、釘やネジを極力使わない伝統的な技法で組み立てられていることが多いです。
偽物は、手間のかかる伝統技法ではなく、現代的な電動工具で加工された跡や、目立つ釘やネジが使われていることがあります。
引き出しの構造:
引き出しの底板が、現代の合板(ベニヤ板)ではなく、古い時代の無垢板でできているか確認しましょう。また、引き出しの側面と前面の接合部分にも、手作業による加工の跡がないか見てみましょう。
3. 金具(取っ手や蝶番)のディテールに注目する
家具の印象を左右する金具も、真贋を見分けるための重要なヒントです。
金具の材質と摩耗:
本物の骨董品家具に使われている金具は、真鍮や鉄など、その時代に合った素材が使われています。長年の使用により、手で触れる取っ手などは、自然な摩耗や色の変化が見られます。
偽物は、金具だけが不自然に新しすぎたり、逆に全体的に古びているのに、金具だけがピカピカだったりすることがあります。
ネジや釘の形状:
現代のネジや釘は、機械で大量生産された統一された形をしていますが、古い時代のものは、手作業で作られているため、一つ一つ形が微妙に違っていたり、マイナスドライバーの溝が浅かったりすることがあります。
4. 汚れや修理跡を観察する
骨董品家具には、時代を超えてきた証である汚れや修理跡が必ず存在します。
自然な汚れとシミ:
長年の使用で、水滴の跡や、カビ、インクのシミなどが残っている場合があります。
偽物の場合、わざとつけられた不自然なシミや、不自然にキレイすぎる状態が怪しいサインです。
修理の跡:
骨董品は、これまで何度も修理を繰り返されてきました。木材のひび割れを補修した跡や、欠けた部分を継ぎ足した跡など、過去の修理跡が残っているか確認してみましょう。
5. 匂いと重量感を確かめる
五感をフル活用することも、真贋を見分ける上で役立ちます。
匂い:
古い家具は、長年の時間の中で、独特の「木の匂い」や「カビの匂い」がすることがあります。
逆に、新しい木材の匂いや、不自然な接着剤の匂いがする場合は、注意が必要です。
重量感:
無垢材を使った古い家具は、見た目以上にずっしりとした重みがあります。逆に、現代の合板で作られた家具は、軽すぎる傾向にあります。
まとめ
骨董品家具は、一つとして同じものはありません。今回ご紹介したチェックポイントは、あくまでご自身でできる簡単な確認方法です。もし、「これはもしかして…」と思う家具を見つけたら、無理に自分で判断しようとせず、プロの鑑定士に相談してみましょう。
専門家は、今回ご紹介したポイントをさらに深く、そして多角的に見極めてくれます。その一歩が、あなたの家に眠るお宝を発見するきっかけになるかもしれません。