骨董品鑑定士への道!真贋を見極めるプロになるには?
「これは本物だろうか?」
骨董品の世界で最も重要なのが、その品物が**「本物(真作)」か、それとも「偽物(贋作)」**かを見極めることです。この真贋を判定するプロフェッショナルが、骨董品鑑定士です。
膨大な知識と経験が求められる鑑定士ですが、「どうすればなれるんだろう?」と疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。この記事では、骨董品鑑定士になるための具体的な方法や、求められるスキルについて解説します。
1. 骨董品鑑定士になるには?資格やルートを解説
骨董品鑑定士には、医師や弁護士のような国家資格はありません。しかし、専門的な知識と経験が必須となるため、いくつかの主要なルートがあります。
ルート1:専門学校や大学で学ぶ
美術大学の美術史学科や、文化財について学べる専門学校などで、基礎的な知識を身につける方法です。
メリット:
美術史や工芸史といった学術的な背景を体系的に学べます。
専門的な知識を持つ教授や講師から指導を受けられます。
デメリット:
実践的な鑑定眼を養うには、別途現場での経験が必要です。
ルート2:骨董業界に弟子入りする
骨董商や鑑定士の事務所に弟子入りし、実地で経験を積む方法です。
メリット:
実際に数多くの骨董品に触れる機会があり、実践的な鑑定眼を養えます。
業界の流通や商習慣を身をもって学べます。
デメリット:
弟子を受け入れている場所が少なく、狭き門です。
ルート3:通信講座や独学で学ぶ
最近では、骨董品や美術史に関する通信講座やオンライン講座も増えています。
メリット:
自分のペースで学習を進められます。
費用を抑えて知識を身につけられます。
デメリット:
実物を見る機会が少なく、独学だけでは鑑定眼を養うのは非常に困難です。
2. 鑑定士に必須のスキルと知識
鑑定士になるために必要なのは、ただの知識だけではありません。鑑定眼を磨くために、以下のスキルと知識を身につける必要があります。
美術史・工芸史に関する知識:
日本の美術史だけでなく、中国や西洋の美術史についても幅広く学ぶ必要があります。
それぞれの時代背景や文化、技法が、作品の真贋を見極める上で重要な手がかりとなります。
各分野の専門知識:
刀剣、陶磁器、書画、古銭など、鑑定する分野ごとの専門知識を深める必要があります。
同じ陶磁器でも、有田焼と九谷焼では、使われる絵の具や技法が異なるため、細かな違いを見分ける力が必要です。
実物を「見る目」を養う:
これが最も重要です。写真や文献だけでは決して得られない、作品の「肌合い」や「重み」、「筆遣い」などを実際に見て、触れて、五感で感じる経験を重ねる必要があります。
多くの骨董品展やオークションに足を運び、本物に触れる機会を増やすことが、鑑定眼を養う最も有効な方法です。
市場動向の把握:
作品の価値は、その時の市場の需要と供給によって変動します。
常に最新のオークション結果や買取相場をチェックし、適正な価格を提示できる能力も求められます。
3. まとめ:鑑定士は「一生学び続ける」探求者
骨董品鑑定士は、一朝一夕になれる職業ではありません。しかし、その分、一つひとつの作品が持つ歴史や物語を読み解き、真の価値を見出すという、非常にやりがいのある仕事です。
「本物」と「偽物」を見分ける力は、知識だけでなく、数多くの失敗や経験を通して磨かれます。もし鑑定士を目指すのであれば、まずは興味のある分野から、積極的に実物に触れる機会を増やしてみてください。