お部屋に彩りを!絵画・掛軸の保存・メンテナンス方法と価値を守る秘訣
お部屋の雰囲気をぐっと格上げしてくれる絵画や掛け軸。代々受け継がれてきたものや、旅先で購入した思い出の品など、その一枚一枚に特別な思いが込められていますよね。
しかし、これらの美術品は非常にデリケートです。適切な方法で保存・手入れをしないと、せっかくの価値が損なわれてしまうことも少なくありません。
「どうやって保管したらいいの?」「カビが生えちゃった…」
そんなお悩みを解決するために、今回は絵画や掛け軸を長持ちさせるための保存・メンテナンス方法を、初心者の方にも分かりやすくご紹介します。
1. 絵画・掛軸の劣化を招く4つの大敵
まずは、あなたの愛する美術品にダメージを与える要因を知っておきましょう。
(1) 紫外線(直射日光・強い照明)
紫外線は、顔料の色褪せを早め、紙や布の劣化を進行させます。特に日本画や水彩画は色が飛びやすいため注意が必要です。
(2) 湿度と乾燥
高すぎる湿度(60%以上): カビやシミ、紙のたるみ、顔料の剥離の原因となります。特に梅雨時は注意が必要です。
低すぎる湿度(40%以下): 油絵の具やキャンバスが乾燥しすぎてひび割れたり、紙や木枠が反ってしまったりする原因となります。
(3) ホコリと汚れ
ホコリはカビの栄養源となり、また絵画の表面に付着した汚れは、経年で定着して除去が困難になります。
(4) 急激な温度変化
温度が急激に変化すると、作品の素材が膨張・収縮を繰り返し、顔料や紙にひび割れや歪みが生じることがあります。
2. 賢く守る!絵画・掛軸の保存テクニック
これらの大敵から大切な作品を守るために、次のことを実践してみましょう。
(1) 適切な場所に飾る・保管する
直射日光を避ける: 窓から直接光が差し込まない壁面や、強い照明の真下に飾らないようにしましょう。
空調の風が直接当たらないように: エアコンや暖房器具の風が直接当たると、急激な乾燥や温度変化を引き起こします。
湿気の少ない場所に: 押入れの奥や結露しやすい窓際など、湿気がこもりやすい場所は避けましょう。
(2) 作品に優しい収納方法
掛軸: 鑑賞しない時は、専用の桐箱にしまうのがベストです。桐は防湿・防虫効果に優れており、大切な掛け軸を湿気や虫から守ります。
絵画: 額装されていない作品は、中性紙で包んでから保管するのが理想的です。中性紙は作品を傷つけず、酸化による劣化も防いでくれます。
(3) 定期的なメンテナンス
ホコリを払う: 柔らかい筆や羽ぼうきで、絵画や額縁、掛け軸の表面についたホコリを優しく払いましょう。
換気: 湿気がこもらないよう、天気の良い日は部屋の窓を開けて換気を行いましょう。
3. もしもの時の対処法と専門家への相談
「カビが生えちゃった」「破れてしまった」など、もしものことが起きてしまったら…
(1) 自分でできること・やってはいけないこと
カビ・シミ: 乾いた状態のホコリは筆で優しく払えますが、カビが生えてしまった場合は、自分でこすったり拭いたりするのは絶対にやめましょう。 顔料が剥がれたり、カビを広げてしまう可能性があります。
修復・洗浄: 自分で修復しようとせず、専門の業者に相談しましょう。素人が行うと、かえって作品に大きなダメージを与えてしまいます。
(2) 信頼できる専門家への相談
絵画や掛け軸のトラブルは、修復やクリーニングを専門とする工房に相談しましょう。骨董品や美術品の買取店でも、修復の相談に乗ってくれる場合があります。
まとめ
絵画や掛け軸は、私たちに感動を与えてくれる一方で、とても繊細な存在です。
光・湿度・温度の管理: 部屋の環境を整えることが最も重要です。
適切な収納: 専用の箱や中性紙で作品を守りましょう。
プロへの相談: 自分で解決しようとせず、専門家に任せることが、作品の価値を守る最良の方法です。
これらのポイントを実践することで、あなたの大切な美術品を、いつまでも美しい状態で楽しむことができます。