骨董品の鑑定書とは?その役割と注意点
「実家に古い壺があるんだけど、価値がわからない…」「譲り受けた絵画に、鑑定書が付いているけど本物なのかな?」
骨董品の世界では、作品の価値や真贋(本物か偽物か)を証明するために「鑑定書」が非常に重要な役割を果たします。しかし、鑑定書があれば必ず高額な価値がある、というわけではありません。
今回は、骨董品の鑑定書とは何か、その役割と、鑑定書を見る上で知っておきたい注意点について解説します。
鑑定書は「専門家のお墨付き」
鑑定書とは、特定の骨董品が本物であることを、その分野の専門家や権威ある機関が証明した書類のことです。
いわば、「この作品は、〇〇という人物の真筆である」「この茶碗は、〇〇という時代の作品である」という、専門家による「お墨付き」の証明書と言えるでしょう。
鑑定書に記載されている内容は、主に以下の通りです。
作品の情報:
作者名、作品名、制作された時代や年代、材質、技法など。
真贋の証明:
作品が本物であることの証明。専門家や鑑定機関の署名、印鑑など。
発行日:
鑑定書が発行された日付。
鑑定書があることで得られるメリット
骨董品に鑑定書が付いていると、いくつかのメリットがあります。
価値の証明:
鑑定書があることで、その骨董品の真贋が明確になり、市場での信頼性が高まります。
スムーズな売買:
真贋が証明されているため、売買がスムーズに進みやすくなります。
高価買取の可能性:
信頼性の高い鑑定書が付いていれば、買取業者も安心して取引ができるため、より高額での買取につながる可能性があります。
鑑定書を見る上での注意点
鑑定書は非常に重要ですが、すべてを鵜呑みにするのは危険です。以下の点に注意しましょう。
注意点1:鑑定書の発行元を確認する
鑑定書は、誰が発行したかによってその信頼性が大きく異なります。
**「その分野の第一人者」や、「公的機関に近い信頼性の高い鑑定機関」**が発行した鑑定書は、高い信頼性があります。
一方で、聞いたことのない個人や、信頼性の低い業者が発行した鑑定書は、偽造されている可能性や、信憑性が低い場合があります。
注意点2:鑑定書自体が偽造されている可能性
残念ながら、高価な骨董品には、それに合わせて偽造された鑑定書が付いていることもあります。
鑑定書自体の紙質や印鑑:
本物の鑑定書は、偽造しにくい特殊な紙が使われていたり、偽造防止の印鑑が押されていたりすることがあります。
鑑定書の有効性:
鑑定機関の連絡先が記載されていれば、直接問い合わせて、その鑑定書が本物であるか確認することも有効です。
まとめ
骨董品の鑑定書は、その作品の価値を証明する上で、非常に重要な書類です。
しかし、その信頼性は、発行元が誰かによって大きく異なります。
鑑定書があるからと安易に信用するのではなく、必ずその発行元を確認し、可能であれば専門家にもう一度鑑定を依頼することが、安心して骨董品を売買するための重要なポイントとなります。