骨董品の買取|陶器・磁器の有名作家・ブランド別解説
骨董品の中でも「陶器・磁器」は人気が高く、国内外で安定した需要があります。しかし、作家やブランドによって買取価格は大きく変動します。単なる古い器と思われがちですが、実際には美術的価値や希少性が査定額を大きく左右するのです。ここでは、陶器・磁器の骨董品買取における有名作家・ブランド別の特徴と価値のポイント を詳しく解説します。
陶器と磁器の違いを理解することが第一歩
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陶器(Earthenware)
土を原料にし、低温(約1,200℃以下)で焼かれたもの。素朴で温かみがあり、茶道具や日常食器に多い。 -
磁器(Porcelain)
石を原料にし、高温(約1,300℃以上)で焼かれる。硬くて白く、透き通る質感。中国や有田焼などに代表される。
この違いを理解することで、査定時に「陶器か磁器か」を判別しやすくなります。
日本の有名作家・ブランド別解説
有田焼(伊万里焼)
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日本を代表する磁器で、17世紀から海外に輸出され「IMARI」と呼ばれ人気に。
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染付や金襴手など豪華な装飾は高額査定の対象。
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著名作家:柿右衛門様式、今右衛門窯。特に「酒井田柿右衛門」の作品は美術的価値が高い。
京焼・清水焼
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京都で発展した多彩な陶器。上品で繊細な絵付けが特徴。
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著名作家:野々村仁清、尾形乾山。仁清の色絵茶碗や乾山の角皿は特に高値。
萩焼
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山口県萩市で作られる陶器。柔らかな土の風合いと「萩の七化け」と呼ばれる色合い変化が魅力。
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茶人に愛され、抹茶茶碗は特に需要が高い。
九谷焼
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石川県で作られる絵付け陶磁器。豪華な彩色が特徴。
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明治期の輸出九谷や、著名作家(徳田八十吉など)の作品は高額取引される。
備前焼
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岡山県の無釉陶器。炎の色合いや自然釉が特徴で、同じものが二つとない。
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千利休以来、茶道具として重宝され、花入や水指が人気。
中国の陶磁器ブランドと価値
景徳鎮(けいとくちん)
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世界的に最も有名な磁器の産地。明・清時代の皇室御用達品は非常に高額。
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青花(染付)、五彩、粉彩など多様な技法がある。
明・清王朝時代の陶磁器
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明時代の「成化年製」「宣徳年製」、清時代の「康熙」「雍正」「乾隆」などの年号入り磁器は、真作なら超高額査定。
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中国市場で需要が旺盛なため、国内外のオークションで数千万円以上の落札例も。
西洋ブランドの磁器
マイセン(Meissen/ドイツ)
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ヨーロッパで最初に作られた磁器ブランド。
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18世紀のブルーオニオン柄やフィギュリン(人形)が人気。
ロイヤルコペンハーゲン(デンマーク)
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ブルーフルーテッド、イヤープレートで知られる。コレクター需要が高い。
ヘレンド(ハンガリー)
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手描きの豪華な絵付けが特徴。アポニー、ヴィクトリアシリーズが特に人気。
セーヴル(フランス)
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王侯貴族に愛された磁器で、19世紀の作品は美術館級。
買取で高評価を得るポイント
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箱書き・共箱の有無
作家名入りの箱(共箱)は作品の真贋を証明する大切な要素。 -
保存状態
欠けやヒビがないか、修復歴がないかが査定額に直結。 -
作家の落款や銘
高名作家の署名や窯印は価値の裏付けになる。 -
来歴・証明書
展覧会出品歴や購入証明があるとさらに高額評価。
まとめ
陶器・磁器の骨董品は、作家・ブランド・時代背景によって価値が大きく変わります。有名な窯元やブランド、作家作品は高額買取の可能性があり、特に共箱や証明書付きは大きな強みです。売却を検討する際は、必ず専門の骨董品買取業者に査定を依頼し、複数社を比較することが安心・高額査定につながります。