【偽物に騙されない!】プロが教える骨董品の真贋チェックリストと査定額アップの秘訣
ご自宅に眠っている古い掛け軸、陶磁器、茶道具…もしかすると、それは歴史的価値のある**「お宝」かもしれません。しかし、骨董品の世界には、本物そっくりに作られた「贋作(偽物)」**が数多く存在しているのも事実です。
「本物だと思って査定に出したら、まさかの偽物だった!」
「一体どう見分ければいいの?」
素人目には判断が難しい骨董品の真贋ですが、プロの鑑定士が必ずチェックする決定的なポイントをあらかじめ知っておくことで、ご自身の品物が持つ本当の価値を把握し、買取で失敗するリスクを大幅に減らすことができます。
この記事では、あなたの骨董品が本物かどうかを見極めるための具体的な真贋チェックリストと、査定額を最大限に高めるための準備と心構えを、骨董品買取のプロの視点から徹底解説します。大切な財産を守り、賢く売却するためのヒントとしてご活用ください。
骨董品の真贋チェックリスト:プロが必ず見る5つのポイント
骨董品の鑑定は総合的な判断が必要ですが、素人の方でも自宅でできる、真贋を見極めるための基本的なチェックポイントを5つご紹介します。
1. 作家性・証明の確認:落款、サイン、共箱、鑑定書
骨董品が「本物」であることの証明として、最も重要視されるのが「誰が作ったか」を示す情報です。
チェック項目 | 見るべきポイント | 贋作の傾向・注意点 |
落款・サイン・銘 | 陶磁器の裏や底、絵画の隅、掛け軸の端などを探す。作者の筆致や刻印の様式が既存作品と一致するか。 | 有名作家の落款を模倣・後付けしていることが多い。サインだけで判断せず、作風全体を確認。 |
共箱(ともばこ) | 品物を収める箱に作者自身による署名や落款があるか。箱と品物の時代が一致するか。 | 箱がない(箱なし)だけでも大きく減額。箱が後から作られた偽箱の場合もある。 |
鑑定書・証書 | 権威ある機関や著名な鑑定人によるものが付属しているか。 | 鑑定書自体が偽造されているケースがある。発行元が信頼できるか要確認。 |
【プロの視点】
特に共箱は、品物とセットで価値があります。売却前に箱書きを水拭きなどで消してしまうと、査定額が大幅に下がってしまうため、そのままの状態を保ってください。
2. 年代と状態の整合性:経年劣化の「自然さ」
骨董品は「古いもの」であるため、時代に見合った自然な劣化や風合いがあることが本物の証拠となります。
チェック項目 | 見るべきポイント | 贋作の傾向・注意点 |
風合い・光沢 | 陶磁器であれば、釉薬のツヤが控えめで落ち着いているか。使い込まれた自然な使用感があるか。 | 偽物は光沢が強すぎる、あるいは不自然にピカピカで古さを感じさせないことが多い。 |
経年変化(ヤケ・シミ) | 紙や布のヤケ(日焼け)やシミが、全体に均一で自然に広がっているか。 | 偽物は、古く見せようと不自然な方法で汚したり、特定の箇所だけを故意に劣化させたりしている場合がある。 |
土の露出部分 | 陶磁器の底(高台)など、釉薬がかかっていない土の部分に、窯の土特有の風合いや時代の特徴が見られるか。 | 偽物は土の質感が安っぽかったり、新しい土のにおいがしたりすることがある。 |
3. 素材と製法の確認:時代とのミスマッチ
使用されている素材や製造技術が、その品物が作られたとされる時代と合致しているかが重要です。
チェック項目 | 見るべきポイント | 贋作の傾向・注意点 |
素材の希少性 | 象牙、珊瑚、金銀、良質なヒスイなど、当時高価で希少な素材が使用されているか。 | 偽物は安価な代替素材や、時代にそぐわない化学素材が使われている場合がある。 |
陶磁器の形状 | 手作りゆえの**微妙な「歪み」や「手癖」**があり、工業製品のような完璧な左右対称になっていないか。 | 偽物は機械による完璧に整った形状をしており、手作りの味わいや不均一さがない。 |
絵画・掛け軸の墨と紙 | 墨の香り(インクの臭いではないか)、紙の質感(つるつるしていないか)。ルーペで見て**ドット(印刷の点)**が見えないか。 | 偽物は印刷物が多く、インク臭、つるつるした紙質、ドットが見えるといった特徴がある。 |
4. 修理・補修(リペア)の履歴
骨董品は修理しながら受け継がれるものですが、修理方法がその後の査定に影響を与えます。
金継ぎ・銀継ぎ: 陶磁器の割れや欠けを漆と金・銀粉で直す伝統的な修復は、**一つの景色(味わい)**として評価されることがあります。
素人修理・接着剤: 素人による雑な接着や、元の素材とは異なる部品での修理は、オリジナルの状態を損なうため、大きくマイナス評価となります。
5. 市場の動向と希少性
真贋を判断する直接的な要素ではありませんが、買取価格を決定づける重要な要素です。
作者の知名度と人気: 現在の市場でその作者や窯元に需要があるか。人気が再燃しているか。
現存数(希少性): 博物館級の希少な品か、それとも同じものが大量に流通しているか。
買取査定額を最大化するための準備と心構え
あなたの骨董品が本物だと確認できたら、次に高価買取を実現するためにできる最善の準備を行いましょう。
1. 付属品を絶対に揃える
骨董品において、付属品は品物の一部であり、真贋証明の最も重要な証拠となることが多々あります。
共箱、布袋、包み紙など、購入時に付いていたものはすべて揃える。
鑑定書、由緒書(来歴を記したもの)、購入時の領収書などがあれば、必ず一緒に査定に出す。
2. 無理な手入れや掃除はしない
買取査定を前に「綺麗にしなければ」と考えるのは当然ですが、骨董品の場合、素人の手入れがかえって価値を損なうことがあります。
NG行為: 陶磁器や掛け軸を水拭きする、箱書きのホコリを水拭きで払う、金属部分を家庭用の洗剤や研磨剤で磨く。
推奨行為: 乾いた柔らかい筆やハケで、表面のホコリを優しく払う程度に留めます。無理に汚れを落とそうとせず、そのままの状態で査定に出しましょう。
3. 来歴(プロヴァナンス)を明確にする
その品物を「いつ」「どこで」「誰から」入手したかという**来歴(プロヴァナンス)**が分かると、品物に対する信用度が格段に上がり、査定で有利に働きます。
親族から受け継いだ場合は、伝え聞いている情報をメモにまとめておく。
購入場所や時期が分かる場合は、それを伝える。
まとめ:真贋はプロに任せ、あなたは準備に徹する
骨董品の真贋判断は、熟練した知識と経験を持つ専門の鑑定士にしかできません。精巧な偽物は、素人どころかプロでも判断が難しいものです。
あなたがすべき最も重要なことは、**「品物の価値を証明し、査定額を下げる要因を取り除く」**ための準備です。
【買取成功へのチェックリスト】
箱や鑑定書などの付属品をすべて見つけ出す。
落款や銘がないか、品物の隅々まで確認する。
不自然なツヤや不揃いさがないか、じっくり観察する。
水濡れや洗剤の使用は絶対に避け、ホコリを優しく払うだけにする。
信頼できる骨董品買取業者を選び、複数社に査定を依頼する。
このチェックリストを活用し、あなたの骨董品が持つ真の価値を最大限に引き出してください。