骨董品を売る前に確認すべき保存状態|価値を下げないためのチェックポイント
骨董品を高く売りたいと思っても、保存状態が悪いと査定額が大きく下がってしまうことがあります。
「長年押し入れに入れっぱなしだった」「ホコリをかぶっているけど価値があるかも」と感じている方は、売る前にぜひこの記事を読んでください。
ここでは、骨董品の保存状態を正しく確認する方法と、査定額を下げないためのポイントを具体的に解説します。
■ 骨董品の保存状態が査定額を左右する理由
骨董品の価値は、「年代」「希少性」「作家・産地」などの要素に加えて、**保存状態(コンディション)**によって大きく変わります。
たとえば、同じ作家の陶器でも、
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ヒビや欠けがない
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色あせやサビが少ない
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元箱や鑑定書が残っている
といった条件がそろっていれば、数倍の価格差がつくこともあります。
つまり、「状態の確認」と「適切な保存・クリーニング」は、高価買取への第一歩なのです。
■ 売る前に確認すべき5つのチェックポイント
① ヒビ・欠け・修復跡の有無
最も重要なのが、物理的な破損です。
陶磁器なら小さなヒビやカケ、金属製品なら曲がりやへこみ、木工品ならひび割れなどをチェックします。
修復跡がある場合でも、**職人による「金継ぎ」や「本漆補修」**であれば、逆に価値が上がるケースもあるため、自己修復はせず査定士に見てもらうのがおすすめです。
② サビ・汚れ・カビの有無
特に**金属製の骨董品(刀剣・茶道具・仏具など)**は、湿気によるサビが致命的です。
布で軽くホコリを払う程度にして、無理な研磨や洗剤使用は厳禁。
カビやシミは、乾いたやわらかい布で軽く拭き取り、空気の通る場所で自然乾燥させましょう。
③ 色あせ・退色・日焼け
掛け軸・屏風・絵画などは直射日光による退色が起きやすく、査定額が下がりやすい部分です。
売る前に確認する際は、蛍光灯の下ではなく自然光で色味をチェックすると状態がわかりやすいです。
日焼けの跡がある場合は、保管環境の改善を伝えることで印象が良くなることもあります。
④ 付属品の有無(箱・証明書・由来書など)
骨董品は付属品も含めて価値とされます。
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共箱(作家本人が署名した箱)
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鑑定書や落款(印)
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来歴・由来を示す書付
などが揃っていると、真贋の確認が容易になり、査定額アップにつながります。
紛失した場合でも、「箱だけ残っている」「一部の書付のみある」など、あるものはすべて提出しましょう。
⑤ 保管環境(湿度・温度・保護状態)
骨董品の保存において最も見落とされがちなのが保管環境です。
理想は、
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湿度:40〜60%
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温度:15〜25℃
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直射日光・蛍光灯の光を避ける
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風通しの良い場所に保管
です。
新聞紙やビニール袋で包むと湿気がこもるため、和紙や不織布で包むのがベストです。
■ 保存状態を良く見せるためにやってはいけないこと
査定前に「きれいにしよう」と思って、家庭用洗剤で洗う・磨く・接着剤で補修するといった行為はNGです。
これらは価値を下げる原因になり、場合によっては買取を断られることもあります。
査定士は専門の方法で状態を見極めるため、そのままの状態で依頼するのが最も安全です。
■ まとめ:状態チェックで価値を守る
骨董品を売る前に確認すべきポイントは以下の5つです。
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ヒビ・欠け・修復跡の有無
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サビ・汚れ・カビの有無
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色あせや日焼けの状態
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付属品(箱・証明書・由来書など)の有無
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保管環境(湿度・温度・日光の有無)
これらを丁寧にチェックすることで、査定士からの印象も良くなり、買取価格アップの可能性が高まります。
■ 高価買取を狙うなら「保存+専門査定」
保存状態を確認したら、次に大切なのは信頼できる骨董品買取業者の選定です。
専門の査定士が在籍している店舗や宅配買取サービスを利用すれば、
「状態を正しく評価してもらえる」「修復価値も見極めてくれる」ため、結果的に高価買取につながりやすくなります。
柔らかい光のもとで骨董品を眺めながら、「これを大切にしてくれる次の人へ」と思える取引を目指しましょう。
あなたの骨董品が、本来の価値で評価されるための第一歩は、「保存状態の確認」から始まります。