高額査定を逃す！骨董品鑑定で誰もが陥る「よくある間違い」７選と正しい事前準備
はじめに：「まさか本物だと思わなかった」が一番の失敗
自宅の蔵や物置から出てきた古い壺や掛け軸、茶碗。「もしかしたら価値があるかも？」と期待して骨董品鑑定を依頼する方は多いでしょう。
しかし、鑑定のプロセスや鑑定士とのコミュニケーションにおいて、多くの人が**「知らず知らずのうちに」高額査定のチャンスを逃したり、不当に安い価格で手放してしまったりする「よくある間違い」**が存在します。
これらの間違いの多くは、**「知識の不足」と「心理的な焦り」**から生まれます。
この記事では、骨董品鑑定を依頼する際に、多くの人が陥りがちな**「よくある７つの間違い」を徹底解説します。あなたの大切な骨董品の価値を最大限に引き出すために、これらの落とし穴を避け、正しい準備と心構え**を身につけましょう。
1. 鑑定のプロセスで陥りがちな「４つの間違い」
鑑定の依頼や、品物に関する情報を提供する際に、多くの人が犯してしまう間違いです。
間違い１：鑑定前に「自己流で掃除」をしてしまう
【最も査定額を下げる行為】
古い品物をきれいに見せようと、自己判断で拭いたり、磨いたり、洗ったりするのは絶対に避けてください。
理由： 骨董品の価値は、単に物の形や色だけでなく、**「時代が作り出した風合い（パティナ）」や「汚れ・埃」**にも宿ります。特に陶磁器や漆器を洗うと、微細なヒビ（貫入）や金彩が剥がれたり、本来の風合いが損なわれたりして、プロの目には価値が下がったと判断されます。
正しい対処法： 触らず、付着している埃もそのままの状態にして査定に出しましょう。
間違い２：「付属品」や「箱」を捨ててしまう
【鑑定書と同じくらい重要】
本体だけでなく、付属品が揃っているかどうかが、査定額を大きく左右します。
重視されるもの：
箱（特に桐箱）： 多くの骨董品では、「箱書き（極め書き）」と呼ばれる、著名人や前の持ち主による署名が価値を裏付ける鑑定書としての役割を果たします。
袋、包布、栞（しおり）： 購入時の記録や由来を示すものは、履歴の証明となり、信頼性と希少性を高めます。
正しい対処法： 本体とセットで出てきた古い紙切れや包み布など、すべてを一緒に査定に出しましょう。
間違い３：「サイン（落款）がないから偽物だ」と決めつける
特に初心者の方は、「有名な作家のサイン（落款）がないから価値がない」と勝手に判断してしまうケースがあります。
理由： 著名な作家の作品でも、初期や非売品、あるいは贈答品など、あえてサインを入れない作品は存在します。また、サインがなくても、作風や技術で本物と鑑定されることもあります。
正しい対処法： 素人判断で諦めず、まずはプロの鑑定士に見てもらいましょう。
間違い４：品物の「由来や情報」を曖昧に伝える
「祖父から譲り受けた」「昔から家にあった」だけでは不十分です。
高額査定につながる情報： 「いつ頃、誰から、どこで購入したか」「どのような用途で使われていたか」といった、品物のストーリーや正確な入手経路は、鑑定士が真贋や稀少性を判断する上で重要な手がかりとなります。
正しい対処法： 家族や親族に可能な限り情報を確認し、メモにまとめて鑑定士に伝えましょう。
2. 交渉・売却段階で陥りがちな「３つの心理的間違い」
査定士との交渉や、売却の意思決定の段階で、冷静さを失ってしまいがちな間違いです。
間違い５：最初に提示された価格で「即決」してしまう
鑑定士はプロであり、最初に提示する価格は、通常**「再販リスク」を考慮に入れた保守的な価格**である場合が多いです。
理由： 鑑定士は、購入後に**「価格が暴落するリスク」や「再販にかかるコスト」**を考慮して価格を決定します。
正しい対処法： 査定額を聞いたら、すぐに売却する意思があっても**「他社でも査定を受けている」ことを伝え、最低でも２〜３社の買取価格を比較する「相見積もり」**を行いましょう。
間違い６：「急いで売らなければならない」という焦りを見せる
「今すぐ現金が欲しい」という焦りの感情は、交渉において弱みとなります。
理由： 鑑定士は、顧客の心理状態を読み取り、焦っていると分かれば、最低限の価格で交渉を終えようとする場合があります。
正しい対処法： 査定士には、**「すぐに結論を出すつもりはない」「価格には納得しているが、もう少し検討したい」**など、余裕を持った態度で臨みましょう。
間違い７：一つのジャンルしか扱わない店に「すべて」を依頼する
複数のジャンル（古美術品、茶道具、現代工芸品など）の骨董品をまとめて売る場合、一つの専門外の店に依頼するのは損です。
理由： 古美術専門の店では、茶道具や現代工芸品の再販ルートや需要を正確に把握していないため、安価に一括で買い取ろうとする傾向があります。
正しい対処法： 品物の種類ごとに、そのジャンルを専門とする鑑定士がいる店に依頼するか、総合的に幅広く扱う大手買取店に依頼し、査定士の専門分野が複数あるか確認しましょう。
おわりに：知識と準備があなたの財産を守る
骨董品鑑定において、高額査定を勝ち取る最大の秘訣は、品物の価値を最大限に保ち、正しい知識を持って冷静に交渉することです。
鑑定前の**「掃除をしない」という行動と、査定時の「相見積もり」という戦略的な行動、この２つを徹底するだけでも、あなたの大切な骨董品の価値**は大きく変わるはずです。今日からこれらの落とし穴を避け、賢く骨董品を売却しましょう。