「呈する」とはどういう意味?正しい使い方と「苦言を呈する人」の特徴12選
ビジネスメールやニュース記事などでよく目にする「呈する(ていする)」という言葉。
なんとなく使われているけれど、正確な意味や使い方を問われると自信がない…という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、「呈する」の正しい意味から、「苦言を呈する」という表現の背景、
さらに実際に“苦言を呈する人”によく見られる特徴をわかりやすく解説します。
「呈する」とは?意味を正しく理解しよう
「呈する」とは、主に以下のような意味を持つ敬語表現です。
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差し出す・贈る(謙譲語)
例:「お礼の品を呈する」「挨拶状を呈する」
→ 相手に何かを差し出す、贈るという意味。 -
示す・表す
例:「感謝の意を呈する」「笑顔を呈する」
→ 自分の感情や状態を表現するときに使います。 -
(悪い状態を)示す・現す
例:「異常を呈する」「症状を呈する」
→ 医療・ビジネスの場で状態を説明するときによく使われます。
つまり、「呈する」は丁寧に何かを差し出したり、状態を表したりする言葉です。
日常会話というよりも、ビジネス文書やフォーマルな場面で使われる語彙といえるでしょう。
「苦言を呈する」とは?本来の意味と使い方
「苦言を呈する」とは、
相手のためを思って耳の痛いことをあえて言うという意味です。
「苦言」は「苦い言葉」=耳障りな指摘や忠告を指し、
「呈する」は「差し出す」という意味。
つまり「苦言を呈する」とは、相手に注意や忠告を丁寧に伝えるという表現になります。
例文:
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「上司が部下に苦言を呈した」
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「お客様から運営方針に苦言を呈される」
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「友人として、あえて苦言を呈します」
このように使うと、単なる文句や悪口ではなく、相手を思いやる指摘として伝わるのが特徴です。
「苦言を呈する人」によくある12の特徴
「苦言を呈する人」は、ネガティブな印象を持たれがちですが、実はその裏に誠実さや責任感が隠れていることもあります。
ここでは、そんな人たちに見られる12の共通点を紹介します。
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観察力が高い – 周囲の変化や問題にすぐ気づく。
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責任感が強い – 組織や仲間を守る意識が高い。
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正義感がある – 間違ったことを見過ごせない。
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誠実で真面目 – 適当なことを言わず、筋を通す。
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コミュニケーション力が高い – 相手に伝わる言葉選びができる。
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経験豊富 – 同じ失敗を繰り返さないための知恵がある。
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プライドが高い – 自分の考えに自信を持っている。
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感情を抑えられる – 感情的な批判ではなく建設的な指摘をする。
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信頼されている – 周囲が「この人の言葉なら聞く」と思っている。
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冷静な分析ができる – 状況を感情抜きで判断できる。
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客観的に見られる – 自分の立場だけでなく全体を考えられる。
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優しさがある – 本気で相手を思っているからこそ、あえて言う。
「苦言を呈する人」は、実は**“人や組織を良くしたい”という想いを持っている人**なのです。
「苦言を呈する」ときの注意点
相手のためを思って発言しても、伝え方を間違えると「嫌味」「上から目線」と受け取られてしまうこともあります。
以下の3つのポイントを意識すると、角が立ちにくくなります。
① 感情ではなく事実を伝える
「どうしてそんなことをしたの?」ではなく、
「この方法だとミスが起こりやすいので、別案を考えましょう」といった建設的な言い方を意識します。
② 相手の立場を尊重する
「あなたの考えも理解できます。その上で…」と前置きを入れるだけで、柔らかい印象になります。
③ ポジティブな提案で締める
指摘だけで終わらず、「こうすればもっと良くなります」と改善策を添えることで信頼が得られます。
ビジネスで使える「呈する」の例文集
最後に、ビジネスシーンで自然に使える「呈する」のフレーズを紹介します。
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「感謝の意を呈します」= 感謝を表す丁寧な言い方
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「お詫び申し上げるとともに、誠意を呈します」= 謝罪文に使える表現
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「敬意を呈します」= 相手へのリスペクトを伝える
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「異常を呈しております」= 状況報告やエラーメールなどに使用
このように、「呈する」はビジネスメールやスピーチ、報告書などで幅広く応用できる便利な言葉です。
まとめ:「呈する」は“丁寧に伝える”日本語の象徴
「呈する」は、ただの堅苦しい言葉ではなく、
相手への敬意や思いやりを表現するための上品な日本語です。
そして「苦言を呈する」も、相手を思うからこそ出る言葉。
言葉の背景にある“誠意”を大切にすれば、
人間関係やビジネスの信頼構築にもつながります。