骨董品オークションで高く落札される写真の撮り方:プロが教える撮影テクニック
骨董品をオークションサイトで販売するとき、「写真の出来」だけで落札価格が2倍以上変わることがあります。
どんなに価値のある骨董品でも、暗くボケた写真では魅力が伝わらず、入札すらされないことも。
この記事では、骨董品オークションで高く落札されやすい写真の撮り方・構図・照明テクニックを、プロカメラマン目線でわかりやすく解説します。
なぜ写真が落札価格を左右するのか
オークションでは、買い手が「現物を手に取れない」ため、写真が商品の第一印象になります。
特に骨董品は、経年の風合い・質感・細部の状態が価値を決めるため、写真のクオリティが極めて重要。
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良い写真 → 「保存状態が良さそう」「本物っぽい」と感じて入札数UP
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悪い写真 → 「汚れていそう」「偽物かも」と警戒され入札数DOWN
つまり、写真の撮り方は**骨董品の“価値を引き出す技術”**なのです。
【基本編】骨董品を美しく撮るための準備
① 撮影場所の選び方
自然光が入る明るい窓際がおすすめ。
太陽光の柔らかい光は、骨董品の質感を自然に表現してくれます。
夜に撮る場合は、白色LEDライトを2方向から当てて影を減らしましょう。
② 背景の選び方
背景はできるだけシンプルに。
白やグレーの布、または木目のテーブルなどが人気です。
骨董品の色を引き立てる背景を選ぶと、見栄えが大きく変わります。
③ カメラ・スマホの設定
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明るさ(露出)を+0.3〜+0.7に調整
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ピントは「中央+オートフォーカス」
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スマホなら三脚を使ってブレを防止
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iPhoneなら「ポートレートモード」もおすすめ
【応用編】骨董品の種類別・撮り方のコツ
陶磁器・茶器・花瓶の場合
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上・正面・斜め45度の3方向を撮影
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表面のツヤを写すために、光を少し横から当てる
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高台(底)や裏印も忘れずに撮る
絵画・掛け軸の場合
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全体を真正面から撮影(歪みを防ぐ)
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額縁や掛け軸の状態も詳細に写す
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部分アップで「筆のタッチ」「印章」などを強調
刀剣・金属工芸品の場合
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光が反射しすぎないように間接照明を使用
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刃文(はもん)や彫刻部分を接写で撮影
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布や桐箱の上に置いて“高級感”を演出
漆器・木工品の場合
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光を少し柔らかくして反射を抑える
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細工のディテールをマクロ(接写)で撮る
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使用感がある場合は、キズも正直に掲載(信頼度UP)
【構図編】オークションで信頼される見せ方
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全体 → 側面 → 裏面 → 詳細の順で掲載
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最初の1枚は「全体がわかる美しい写真」に
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背景に余計なものを入れない(生活感NG)
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自然光+白背景+水平な構図が鉄則
📸 ポイント:
最初の1枚で印象が決まるため、
「雑誌の表紙のような構図」を意識しましょう。
【照明テクニック】美しく見せるライティング
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サイドライト(横から光):立体感を出す
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レフ板(白い紙でもOK):影を和らげる
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間接照明(和紙や布越しの光):柔らかい雰囲気を演出
光が強すぎると反射して質感が失われるため、
「柔らかい光」で素材の深みを表現するのがコツです。
【信頼性UP】写真の順番と情報の見せ方
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商品全体(表)
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側面・背面・底面
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署名・印章・銘などのアップ
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経年変化や小キズの写真(正直さが信頼に)
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箱・証明書などの付属品
🔍 信頼を得るコツ
「隠さない」こと。
マイナス点も含めて丁寧に見せることで、
「誠実な出品者」としてリピーターが増えます。
【落札率を上げる】写真+説明文の黄金バランス
写真だけでなく、説明文にも工夫を。
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「自然光で撮影しています」
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「傷や汚れは写真3枚目にてご確認ください」
と明記すると、購入者に安心感を与えます。
また、写真枚数は最低でも10枚以上掲載すると、
閲覧数・入札率ともに上がる傾向があります。
【まとめ】
骨董品オークションで落札されやすい写真とは、
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明るく清潔感のある背景
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素材感・質感が伝わる自然光
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嘘のないリアルな撮影
という3つの要素で決まります。
「写真は商品の代弁者」。
一点ものの骨董品の魅力を正確に伝えれば、
落札価格も信頼も自然と上がります。