年金受給者が亡くなったら「未支給年金」をチェック!死亡一時金がもらえない時の代替策
「年金をもらっていた親が亡くなったけれど、何か受け取れるお金はあるの?」
「死亡一時金を申請しようとしたら、受給者は対象外と言われてしまった……」
身近な方が亡くなった後、年金の手続きを進める中でこのような壁にぶつかるご遺族は少なくありません。実は、すでに年金を受け取っていた方が亡くなった場合、制度の仕組み上「死亡一時金」を受け取ることはできません。
しかし、がっかりする必要はありません。その代わりに必ずチェックすべきなのが**「未支給年金(みしきゅうねんきん)」**です。
この記事では、死亡一時金がもらえない理由と、その代替策となる未支給年金の仕組み、申請のコツを分かりやすく解説します。
1. なぜ「年金受給者」は死亡一時金がもらえないのか?
まず、制度のルールを整理しておきましょう。国民年金の「死亡一時金」には、以下の大前提があります。
死亡一時金の条件: 老齢基礎年金などの支給を受ける前に亡くなったこと
つまり、亡くなった方が生前に1回でも年金(老齢基礎年金や障害基礎年金)を受け取っていた場合、その時点で死亡一時金を受け取る権利は消滅してしまいます。
後期高齢者の方の多くは既に年金受給が始まっているため、実質的に「死亡一時金」の対象外となるケースがほとんどなのです。そこで登場するのが、遺族のための救済措置ともいえる「未支給年金」です。
2. 「未支給年金」とは?もらえる金額の仕組み
日本の年金制度は「後払い」という仕組みをとっています。
年金は偶数月の15日に支払われる
支払われるのは「前2ヶ月分」の年金
例えば、10月に亡くなった場合、10月分までの年金を受け取る権利がありますが、その振り込みは12月になるはずでした。しかし、本人が亡くなっているため、その「まだ支払われていない分」を遺族が代わりに受け取ることができる、これが未支給年金です。
受け取れる金額の目安
亡くなった時期によりますが、**「1ヶ月分〜最大3ヶ月分」**程度の年金額が支払われるケースが多いです。年金額が月10万円の方であれば、10万円〜30万円ほどになる計算ですから、葬儀後の家計にとって非常に大きな助けとなります。
3. 未支給年金を受け取れる遺族の優先順位
未支給年金は、亡くなった方と「生計を同じくしていた」遺族が対象です。受け取れる順番は法律で厳格に決まっています。
配偶者
子
父母
孫
祖父母
兄弟姉妹
これら以外の3親等内の親族(甥・姪、おじ・おばなど)
ここでポイントとなるのは、死亡一時金よりも「受け取れる親族の範囲が広い」という点です。3親等内の親族まで対象となるため、独身の方や子供がいない方が亡くなった場合でも、同居していた親族がいれば申請できる可能性があります。
4. 申請に必要なものチェックリスト
手続きは、お近くの年金事務所または街角の年金相談センターで行います。以下の書類を準備しましょう。
亡くなった方の年金証書
亡くなった方と請求者の続柄がわかる戸籍謄本
亡くなった方と請求者が生計を同じくしていたことを証する書類
(世帯全員の住民票の写しなど)
受け取りたい遺族の通帳またはキャッシュカード
亡くなった方の除籍謄本(住民票の除票)
💡 窓口でのワンポイントアドバイス
「生計を同じくしていた」という証明は、住民票で同一世帯であればスムーズです。もし別居していた場合でも、仕送りの事実や頻繁に訪問していた状況を証明する「生計同一関係に関する申立書」を提出することで認められる場合があります。
5. 死亡一時金以外の「もう一つの選択肢」
亡くなった方が自営業などで国民年金に長く加入しており、まだ年金をもらっていなかった場合、遺族は「死亡一時金」か「寡婦年金(かふねんきん)」のどちらかを選ぶことになります。
死亡一時金: 一回限りの支給。金額は最大32.7万円。
寡婦年金: 60歳から65歳までの間、夫がもらうはずだった年金の4分の3を妻が受け取れる。
後期高齢者の場合は既に受給中であるため寡婦年金の対象外となることが多いですが、もし亡くなった方が現役世代であれば、受給総額が高くなる「寡婦年金」を選ぶのが一般的です。
6. 手続きを忘れるとどうなる?
未支給年金の申請期限は5年です。
しかし、年金の受給停止手続き(死亡届の提出)自体は「10日〜14日以内」に行う必要があります。この受給停止手続きと未支給年金の申請はセットで行うのが効率的です。
もし手続きを忘れて亡くなった方の口座に年金が振り込まれ続け、それを引き出して使ってしまうと、後から国に返還を求められるトラブルに発展しかねません。必ず早めに手続きを行いましょう。
まとめ:死亡一時金がダメでも未支給年金を忘れずに
「年金をもらっていたから一時金は出ない」と言われても、そこで諦める必要はありません。
死亡一時金は「もらっていない人」向け
未支給年金は「もらっていた人」向け
この違いを理解しておくだけで、遺族が受け取れるはずのお金をしっかり守ることができます。未支給年金は非課税であり、相続財産には含まれない(受け取った遺族固有の財産になる)というメリットもあります。
葬儀後、役所や年金事務所へ行く際は、必ず「未支給年金の確認」をセットで行うようにしてくださいね。
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